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Palembangの思い出 (4) 観光 [Indonesia]

この日記もコロナショックで1年以上あいてしまった。
コンスタントに続けられるか分からないが、ひとまず前回は初めてPalembangへ行った時の途中で終わってしまったため、続きを書いていこうと思う。
1年のブランクがあると、同じ過去のことを書くにも、心境が異なるのか、昨年書いていた時と異なるテンションになりそうだ。


それはさておき。

Palembangでチンピラの洗礼を受けた後、ホテルにチェックインした。

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毎度のことではあるが、特に下調べをしてきた旅行ではないため、持っていたスマホのネットで色々観光地を探してみた。このブログを書くのに1年ブランクがあったが、この1年だけでもネット環境が大きく変わったように、Palembangへ行った当時、Googleや旅行サイトは既にあったが、Tripadvisorが定着したてぐらいの頃で、今から比べれば、まだまだメジャーな都市以外では情報が少なかった。
部屋で色々調べるのだが、Palembangがどんな場所なのか、掴みきれない。
観光地なら、ホテルに観光コンシェルジュか、観光パンフレットがあるだろう。日本だと、どんな田舎でも、現地の観光協会のパンフレットがあったり、フロントマンの知識ででも教えてくれるものだ。
夜になって、ホテルのフロントで、「昼間にアンペラの辺は行ったけど、他の観光地はない?」と投げかけてみたところ、「アンペラに行ったんだと他には特に無いと思うけど。私は明日の午前中なら、仕事はないので、ガイドしますよ」と、意外な返答。あまりに意外だったので、キョトンとしていると、横にいる別の従業員に相談を始めた。何か言い間違えたのかな?すると、隣の従業員が、「彼女が案内すると言っている。」と同じことを言う。しかも無報酬という。
チンピラの一件もあるし、彼女の背後に何か悪い組織が絡んでいるのではないかという一抹の不安も出てくる。
でも、下心がなければこその無邪気な提案と捉えて、「それじゃあ、アジア大会の会場の案内をお願いできる?」と応える。
すると、今度は向こうが困った表情をする。何を困っているのだろうか。再び隣の従業員に相談している。その二人で相談して解決策が見つからなかったらしく、隣でチェックイン応対中の男性スタッフに語りかけるが、目で「今忙しいからアッチ行け」と言われて、アッチにいる支配人風の男性スタッフに相談しに行く。簡単なことなら諦めて戻ってくるだろうに、何を困って支配人に相談しているのだろう。
しばらくすると、支配人風のスタッフが近寄ってきた。サービスのクレームをしたわけではないし、何を言いにきたんだろう、市内観光バスでもあるのだろうか。「アナタと話す用事はないと思う」と私の顔にはハッキリ書いてあったと思われる。ツカツカと寄ってきた男性スタッフは、目の前で止まり、私のその表情に気がついて、ゆっくりとそれを読み終えたのか、「貴方はそう思うかもしれないが、私には貴方に言わなきゃいけない事があるんだよ。」という顔をして更に寄ってくるので、私の顔は「そうかなぁ」と眉をひそめると、彼は「まぁ良いから、聞いて下さい」と言う表情で話し始めた。
「私はこの部署を管理するマネージャーだが、うちのスタッフが御客様を市内観光に連れて出ると申していますが、これは彼女の休日に個人的に行うものであり、当ホテルのサービスではありません。ご理解いただけますか?」。言われるまでもなく、そりゃそうだろう。何が言いたいんだろう。ホテルで市内観光サービスがあるのだろうか、或いは観光バスの斡旋でもあるのだろうか。相手の主旨が飲み込めなかったので、「それはわかっている。」と前置きしたあと、私はこれまでの経緯を彼に話そうとした。話し始めたところで、彼が手で制す。「御客様、うちの女性スタッフが案内するのは当ホテルのサービスではありませんが、よろしいですか?」と改めて訊くので、「分かってるよ」と答える。
なるほど。トラブルがあっても一切責任は取りませんと言いたいらしい。
4星のホテルなので、女性スタッフに「私が個人的に案内する」と言われたのは面食らったが、既に話しは付いてるし、仮にホテルで観光ガイドを紹介されても同じくトラブルは免責するだろうから、支配人にホテルは無関係と言われたところで、状況は変わらない、などと考えていたら、その表情を読み取ったらしく、支配人は後ろに下がった。

さて、翌日は午後のフライトで戻るので、制限時間は午前だけだ。
待ち合わせ場所はホテルに隣接したモールだ。モールは閉まっていて閑散としている。

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昼間は車がひっきりなしに並ぶエントランスももぬけのからだ。

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歩道橋を渡った反対側にあるバス停が待ち合わせ場所だ。

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スタッフはガイドを申し出た一人ともう一人、相談で右往左往した方と二人連れだった。住んでいる場所は違うものの、同じ大学で観光を学ぶ同級生とのことだ。インターンらしいが、スマトラを出たことはないし、どこかのホテルに泊まった経験もないと言う。
まずは、アンペラ橋の近くにある博物館に行きたいと頼んだ。
どうやって行く?という話になった時に、昨日失敗したので、改めてアンコットに挑戦したいと頼んだ。しばらくすると、一台寄ってきたので乗り込んだ。
運転手は黙々と走り、真面目そうだった。が、大音響である。全ての椅子の下にスピーカーがあるのではないかと思うくらい、大音響でラジオを流しながら走る。
「これはハズレだねぇ」とガイド二人が爆笑する。アンコットは危険な乗り物なので、可能であればタクシーを利用するらしい。

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無事博物館に着いたのだが、休館らしい。少し洋風がかっていて、興味がそそられるが、無限休館らしく、いつ開くかは分からない。

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中世の王国時代の説明が見たかった。この辺りでスリウィジャヤ王朝が栄えたはずだった。その後、ジャバ島に文化が移っていくのだ。
仕方がないので、「アジア大会の競技場が見たい」ともう一度言ってみた。「アジア大会?何それ?」2018年にジャカルタとパレンバンを開催地とするスポーツの祭典だ。

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「ほらほら、こうやって交通網も準備しているでしょう?アジア大会の準備のはずだよ?」といっても知らないという。言われてみれば、街中にはアジア大会のアの字もない。
取り敢えず、知っている大きな競技場に連れて行ってくれることになった。
タクシーの運転手もアジア大会なんて知らないという。4人の車内で一人だけ変なこと言っている外国人になっては、多勢に無勢、これ以上の議論は無用だ。2018年8月開催祭予定なのに、2016年11月で市民が知らないなんて、政府の広報活動って重要だなぁと思う。

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無事に着いたスタジアムはなかなか大きく、一枚の写真には収まらない。いくつか写真をアップで撮る。

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交通網は建設ラッシュなのに、スタジアムは少し古ぼけている。これはアジア大会用に建設されたものではなく、古くから使われているものだろう。
何かの競技で使うことになるのだろうか。

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郊外にあるスタジアムを後にして、市内に向かう。
再びアンペラ橋を渡る。

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橋を渡ると市街地は少し混んでいた。
突然、運転手が「オォ」と声をあげる。後ろにいたガイドの一人が「キャー」という悲鳴。何かと思い、二人の視線の先を見ると、タクシーと高級バイクが接触事故を起こしたらしい。高級バイクの運転手は体格が良く、すぐに立ち上がり、タクシーの運転手に怒鳴りかかっている。事故を起こしたタクシーの運転手が降りたかと思うと、バイクの男がボコボコと殴り出した。我々が乗っていたタクシーと同じタクシー会社なので、運転手が助けに入ろうと速度を落とすが、ガイドの方はショックで「悪いけど、止まらないで通り越して」という。事故を起こしたタクシーの客が止めに降りようとするのを横目に通り過ぎたのだった。

パレンバンは古都でもあり、スマトラ島の主要都市の一つだが、チンピラや暴力漢やら嫌な一面を見せられた。ジャカルタでもスマトラ出身者に会うことは多いが、パレンバンの人は良くないという人が多かった。何か理由があるのだろうが、残念な思いで後にしたのだった。

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