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Palembangの思い出 (2) 川下り [Indonesia]

ロータリーから正面に見える橋はいずれ渡るとして、橋の全景を見たいと思い、橋の見えるスポットを探しに行く。
橋に向かって左手の方は、どうやら市場のような雰囲気がある。
時刻は午前8時を過ぎているので、朝市は終わっていて、片付けているような
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河岸は桟橋があって、小さな船がたくさん泊まっている。まさか、この船で魚を捕って来るのだろうか。それにしては、小さいし、乗用に見える。
こちらは橋を撮るのに良い場所を、と右往左往と歩いていると、船から声が飛んで来た。
「何か探し物かい?何しているんだい?」
「観光できたんだけど、大きな橋だねぇ。」と答えると、
「乗って観光するかい?」と返って来る。
うーん、と小汚い船をマジマジと観察してみる。
板を張り合わせた小舟だ。ということは、板の継ぎ目の状態が悪いと、浸水して、沈没することもありうる。
あ、でも、年季が入っているなぁ。沈没するような船なら、いまここで目の前にはないはずだ。沈没の心配はしないことにしよう。
と屋根に目を向ける。幌屋根がついている。かがめば歩けそうな高さの屋根だ。これだけ高ければ、万一転覆したとしても、間をすり抜けて水面に浮上することはできそうだ。というか、転覆の可能性は考えないんだった。
どうも、頭の中では、船頭の申し出を断る理由を考えているようだった。
だったら、濡れる可能性は?確かに屋根はあるが壁はない。海のような波がザブンと来たら、ずぶ濡れだ。と河面に目を移すと穏やかな流れだ。
船頭と目が合う。
「どうすんだい?」と目が言って来る。「怖がることないよ」と言っているのかもしれない。
「どこまで連れて行ってくれるの?何か見所はある?」と聞いてみたものの、実は橋がの全景が見えれば、そんなに遠出するつもりはない。
「そうだねぇ、30分ぐらい行けば、観光地はあるよ。15万ルピアだ。」と先に値段をふっかけて来た。高いなぁ。
「その観光地は興味ないから、この辺だけでいいよ。」
「そっか。じゃあ、15分ぐらい近くを回ろうか。10万ルピアだ。」
マジ高いなぁ。
「30分15万ルピアで、15分10万ルピアじゃあおかしいよ。7万ルピアだろう。」というと、
「おっしゃ、良いよ。7万ルピアだ」とあっさり成立してしまった。このボロ船に乗るのに7万ルピア(約600円)か、割高感は拭えない。
まぁ、保険と考えるか。いや、実際に保険入ってないし、こんな安い金額ではザブンと水がかかったときに壊れたカメラ台にもならない。などど、頭の中ではグルグル回るが、船に乗りこんでみる。

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と船は岸壁を離れる。

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程なく、橋はすっきりと右から左まで見渡せた。右側が出発した陸地の方だ。

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船頭は黙々と船を上流に向かって走らせる。
何が見えるのかも分からず、シャッターを切ってみる。

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タグボートとすれ違う。

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すると、巨大なバルク船(?と呼んで正しいかは怪しいが)というのか、荷物を乗せる船が曳かれている。

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車で言えば、土砂を積んでそうなダンプを思わせるような、巨大な船だ。
観光の河というより、産業の河だなぁと思う。
そんなことを考えていると、住宅が見えて来た。
子供たちが水遊びをしている。水辺に立つ家だ。

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振り返ると、橋はだいぶ小さくなった。

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舟先に視線を向けると、たくさんのクレーンやコンテナが目に入る。
やはり、この河は、産業で重要な役割を果たしている河なんだと思う。

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右舷には住宅。

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人々の生活感が躍動的だ。
コンテナ埠頭もだいぶ近づいて来た。

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橋はだいぶ遠くなった。

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この辺で引き返そう。
と考えていると、エンジンストップ。
よく考えたら、ライフジャケットも着てないし。
しばらく、プカプカと船は漂流する。
同じ形の船がすれ違うので、大声で助けを呼ぶのかと、後ろにいる船頭に振り向くと、なんと船頭はバケツ片手に、船内に染み込んでくる水を掻き出している。さっきから、バシャバシャ背後から聞こえていたのは、河の水が船に当たる音だと思っていたのだが、船頭は額に汗して、息を切らしている。
マジかぁ。「大丈夫か?手伝おうか?」と聞くと、「大丈夫だ」という。
船頭が呼ばずとも、仲間の船は近寄って来た。反射的にそちらへ乗り移ろうかと、立とうとすると、息の上がった船頭が手で静止する。
満タンにするのかと思いきや、ちょこっと入れたら、エンジンがかかり、再び走り出した。

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船頭は、片手で舵を取り、もう片手のバケツで浸水した水を掻き出す。
「橋の反対側へ行ってみよう。」という。
そののどかな響きに、特に反対することもなく、橋の反対側へ向かう。

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『そろそろ時間だ。どこで降りたい?』ときかれても、特に行くあてもないし、移動手段もよく分からない。
考えていると、「河のどちら側におりたいんだ?」という。乗ったのと同じ側に桟橋らしいものが見えて来たので、指で刺し「あそこで降ろしてくれ」という。

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桟橋には同型の船がたくさん並んでいる。
そっか、この船はこの河の渡しとして、市民の足になっているんだ。と気がつく。それと同時に7万ルピアも払ったら、今日は彼はもう仕事しなくて良いかもな。と頷いてしまった。



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