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ジャカルタの思い出(1) イスティクラル・モスク [Jakarta]

インドネシア滞在中に撮影した写真を、当時のことを思い出しながら紹介する。
今回は、ジャカルタ大聖堂(教会)とイスティクラル・モスク。写真は全て2017/4/24に撮影されたものである。

インドネシア語の名前はジャカルタ大聖堂がGereja Katedral Jakarta、イスティクラル・モスクがMasjid Istiqlalである。ちなみにインドネシア語でGerejaは教会、Masjidはモスクを意味する。



地図で左側にIstiqlal、右側にKatedral Jakartaが見える。イスラム教の国である。IstiqlalはKatedralに比べて格段に大きい上に、堀で守られているかのように見える。
不思議なのは、両者の近さである。各々の正門は同じ通りでほぼ正面にある。観光客にはありがたいが、エルサレムのようなことが起こらないか心配である。

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まず、ジャカルタ大聖堂へ行く。立派な教会だ。塔の上の方は鉄骨でできている。おそらく、長い歴史の中で倒壊し、鉄骨で復旧されたのだろう。
モスクはずんぐりむっくりのフォルムが多いのに対し、この教会を見ていると、天を突き刺さんばかりの鋭さが感じられる。先端が鉄骨でできていることで、より鋭く感じる。
インドネシアの平等平和主義のもとでも、少数派として生きているキリスト教信者の心境を垣間見るかのようである。

内部は典型的な三郎形式の教会で、平面形状も十字になっている。

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壁画が丹念に描かれている。おそらく、オランダ人がはるばるこの地まで来て布教活動をした賜物だろう。

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壁画の下にカーテンがと思って近づいて見ると、こちらは壁に立体的に描かれたカーテンだった。
上を見上げると、天井は板張りが美しい。

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きょろきょろ探してようやく見つけたステンドグラス。なんとなく教会の必須アイテムだ。



さて、教会を後にして横断歩道を渡ると、イスティクラル・モスクの正門だ。
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モスクは基本的には人々に開かれていて、来訪者を拒むことはないのだが、総本山だけに、緊張感がよぎる。
入り口は黒山の人だかりだ。

後でテレビニュースを見てわかったのだが、この日はムハンマド昇天祭の祝日。
イスティクラル・モスクはインドネシアのイスラム教の総本山なので、各地から信心深い信者が集まり、礼拝が行われ、その様子がニュースで放映されたのだ。
私が入った時刻は、全体礼拝の30分ほど前。
会社が休みで、フラッと来たのだったが、外務省に叱られそうな行動だった。
以後、祝日がある場合は、何の祝日か調べるようになった。
日本人としては「祝日=危険」の意識は持ちにくいよなぁ。


そうとは知らず、外回りのガードマンに声をかけると、
「何人?宗教は何?」モスクではよく聞かれる質問が返ってくる。
「日本人だけど、中を観光できる?」と応える。
「日本人か。宗教は何?イスラム教じゃないなら、入り口はあそこだから、そこのガードマンに日本人だと言えば、中を案内してくれるよ。」
「仏教かなぁ。ありがとう。」中を案内してくれるって聞こえた気がしたけどと、半信半疑で入り口に向かう。


黒山の人だかりの一部は下足を入れる袋を配る子たちだった。中に入るには裸足にならなければならず、靴を入れる袋をくれるという。
袋を受け取ろうとすると、「チップくれたらね。」という。
「いくら?」
「決まってないよ。2000は欲しいな」
というので、2000渡すと、「ありがとう」と言って次の人を探しに背を向けた。


入り口のガードマンは3人ぐらいで、入場者をさばくのに必死だ。
「中を見たい」というと、迷惑顔で、「じゃあ俺と一緒に来てくれ」と一人が手招きする。

案内は慣れているようで、最初にコースの概要説明があった。
概要説明の最後に「僕の案内はそこの廊下の終端で終わりで、そこでお別れだ。その時に心付けを渡してくれればいい。」
ただじゃ済まないか。心付けの相場は分かっているが、こんな場所だから特別価格かもしれない。「観光客だからよくわからないんだけど、いくらぐらい?」
「決まった金額はないよ。気持ちをくれれば良いんだよ。」と教えてくれない。おっしゃる通りだけどもね。



ようやく中へ入る。
聖堂に案内されたが入り口の黒山の人だかりが嘘のように中の人はまばらだ。
入場した信者たちは、直接聖堂に向かうのではなく、沐浴場へと案内されていたのだ。
ここに見えるのは、沐浴を済ませた人達だけだ。
床に境界線が引いてあって、異教徒はドームの下へは入れない。また、男女で礼拝エリアがゾーニングされている。

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空間は巨大だ。ドームの直径はインドネシア独立の1945年にちなんで45mだという。

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脇にはバルコニーが4層見えるが、これらも礼拝スペースで、1階と合わせて、計5層の礼拝スペースがある。これは、インドネシア建国の精神(Pancasilaパンチャシラ)が5箇条であることに因んでいる。
5層全てで、6万人が同時に礼拝できるという。

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ガードマンが2階のバルコニーも案内してくれた。

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外部にも礼拝スペースがあり、それらすべてを合わせると、なんと20万人が同時に礼拝できるという。
ニュースで見たのが大人数の同時礼拝だが、テレビで見ても圧巻だ。

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東南アジア最大のモスクだ。世界最大はメッカにある。

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完成は1978年で、スハルト大統領の時代だ。
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約束(?)の場所でガードマンに20,000ルピアを渡すと、中身も確認せず、「ありがとう」といって、入り口の方へ戻って行った。






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